アスベスト除去における法令が変わります。

年々厳しさを増す石綿関連の法令ですが、平成25年度よりさらに厳しくなりました。

平成25年3月29日の閣議において、「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、平成25年6月17日に原案のまま成立、6月21日公布されました。
■背景
石綿の飛散防止を図るため、これまでも建築物の解体等工事に対する規制がありましたが、石綿が飛散する事例や、石綿使用の有無の事前調査が不十分である事例が確認されました。また、工事の発注者が石綿の飛散防止措置の必要性を十分に認識しないで施工を求めることなどにより、工事施工者が十分な対応を取り難いことも問題となっていました。さらに平成23年に発生した東日本大震災の被災地で石渡の飛散事例が確認され問題となりました。
■改正内容
今回の改正は、届出主体の変更と事前調査の説明義務付けが主な内容です。届出をしない、または都道府県知事等による作業基準適合命令等の違反をした場合には、罰則が定められました。また、工事の注文者は、工事を施工する者に対し、施工方法、工期等について作業基準の遵守を妨げるおそれのある条件を付さないように配慮する努力規定が定められました。
(1)解体作業の届出義務者の変更
特定粉じん排出等作業の実施の届出義務者が、工事施工者から発注者又は自主施工者に変更され、発注者も一定の責任を担うことが位置付けられました。この特定粉じん排出等作業とは、吹付け石綿や石綿含有断熱材、石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材で石綿質量が0.1%を超えて含まれているものが使用されている建築物等を解体、改造、又は補修する作業のことです。
(2)事前調査及び調査結果の説明を義務付け
解体等工事の受注者は、特定粉じん排出等作業に該当するかどうか、石綿使用の有無について事前に調査をし、発注者へ調査結果と届出事項を発注者に書面で説明する事が義務付けられました(ただし解体等工事に係る建築物等に石綿が使用されていないことが明らかなものは除かれます)。
また、特定粉じん排出等作業を伴う解体等工事を施工する者は、工事の場所、作業期間、特定建築材料の使用箇所、作業の方法等について作業開始の14日前までに都道府県知事等に届け出なければなりません。また、作業に当たっては、掲示板の表示、作業場の隔離、前室の設置、作業場内を負圧に保つための高性能の集じん・排気装置の設置等の作業基準の遵守が義務付けられています。
(3)立入り検査等の対象拡大
都道府県知事等による立入検査の対象に解体等工事に係る建築物等が加えられ、報告徴収の対象に解体等工事の発注者・受注者又は自主施工者が加えられました。
(4)施工期日等
一部を除き、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます。

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